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【ヒートショックに気をつけて】お風呂の安全な入浴方法

はじめに

12月6日、女優で歌手の中山美穂さんが自宅マンションの浴室で亡くなっているのを発見されました。入浴中に起きた悲劇の原因としてヒートショックの可能性も指摘されています。
そこで今回は、ヒートショックの危険性と安全な入浴方法について解説します。

冬場に多発する高齢者の入浴事故とは?

入浴事故は冬季に特に増加し、高齢者が最も影響を受けやすい現象です。厚生労働省の統計によれば、入浴中の溺死は年間4,750人に上り、交通事故の死亡者数(2,150人)の約2倍に達します。このため、冬季における入浴の安全性確保が重要です。

実は私の祖母も、年齢の割に健康体であったにも関わらず浴室で亡くなっており、原因はおそらくヒートショックが要因だと考えられています。


なぜ冬に入浴事故が増えるのか?

冬場に入浴事故が多発する主な原因は以下の通りです:

1. 急激な温度差による血圧の変動

  • 脱衣所や浴室が寒い環境:暖かい部屋から冷えた脱衣所に移動すると、血管が収縮し血圧が急上昇。
  • 浴槽内での温度変化:熱いお湯に浸かることで血管が急激に拡張し、血圧が低下。この変動が身体に大きな負担を与えます。

2. 意識障害のリスク

  • 血圧変動により脳内血流が減少し、一過性の意識障害(失神やめまい)が起きやすくなります。
  • 浴槽内で意識を失うと、溺水事故に繋がります。

3. 高齢者の身体的要因

  • 血圧調節機能の低下:高齢者は血管が硬化しており、急激な血圧変動に対応しにくい。
  • 持病の影響:高血圧、動脈硬化、心疾患などがリスクを増大。

入浴事故を防ぐための具体的な対策

温度差をなくす工夫

  1. 脱衣所や浴室を暖める

    • 暖房器具やシャワーを使って浴室全体を暖かく保つ。
    • 湯気で浴室内を暖める工夫をする。
  2. 湯温を適切に設定

    • 湯温は41℃以下にする。
    • 長湯を避け、入浴時間は10分以内を目安にする。

安全な入浴習慣

  1. かけ湯を行う

    • 足先から順に体を温め、急激な血圧変動を防ぐ。
  2. ゆっくり立ち上がる

    • 浴槽から出る際は手すりや浴槽の縁を使い、徐々に体を起こす。
  3. 食後や飲酒後の入浴を避ける

    • 食後低血圧やアルコールによる血圧低下を防ぐため。

家族のサポート

  1. 入浴前に声掛けをする

    • 同居者に「これから入浴する」と伝え、異常時に早期対応できる環境を作る。
  2. 入浴中の動向に注意する

    • 長時間入浴している場合や音がしない場合、声掛けを行う。

緊急時の対応方法

万が一、浴槽内で倒れている人を発見した場合は、以下の対応を行います:

  1. 浴槽の栓を抜き、大声で助けを呼ぶ。
  2. 救助可能なら浴槽から引き出し、安全な場所に移動。
  3. 救急車を呼び、到着まで胸骨圧迫を継続する(呼吸がない場合)。
  4. 人工呼吸を行える場合は、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返す。

冬季の入浴事故に対する意識の大切さ

「自分には関係ない」と過信せず、家族全員で対策を共有することが大切です。特に高齢者の家庭では、日常的に温度管理や安全対策を意識し、事故を未然に防ぐことが重要です。